仕事の資料として、息抜きとして雑誌を購読している方は多いのでは?しかし、雑誌というのは結構かさばるもので、ビジネスバッグに入れて持ち運ぶのは大変です。「購入したいけど…」と思いつつ、つい立ち読みで済ませる方も多いはず。
であれば、雑誌の”自炊”をしてみませんか?”自炊”とは一種の業界用語で、雑誌などの書籍を自分の手でデータ化(電子書籍化)するというもの。複合機(コピー機)のスキャン機能を活用すれば、簡単に雑誌の自炊ができます。
そこで、今回は複合機(コピー機)で雑誌をスキャンするポイントと、法律的な注意点についてご紹介しましょう。
▶︎目次
1.複合機(コピー機)で雑誌をスキャンしてもいい?
雑誌の自炊(データ化)は、複合機(コピー機)のスキャン機能を使えば簡単にできます。しかし、雑誌などの書籍には、必ず”著作権”が関わってくるもの。では、複合機(コピー機)で雑誌をスキャン(自炊)してもいいのでしょうか?
雑誌の”自炊(スキャン)”はよくあること
「雑誌 自炊」と、ネット検索してみてください。ネット上では「書籍を自炊するポイント!」や「実際に自炊してみた!」などの投稿が数多く見つかるはず。雑誌に限らず、漫画や小説など書籍の自炊(スキャン)は珍しいことではないのです。
というのも、”iPad”や”Kindle”のような端末の普及にともない、電子書籍も急速に広まってきました。これにより個人でも書籍をデータ化するハードルが低くなり、最近に至っては”自炊代行サービス”なる怪しいサービスが登場するほどです。
”著作権法違反”にはならないの?
先述した通り、雑誌のような書籍には”著作権”があります。では、雑誌のスキャンは”著作権法違反”になるのか?
個人利用であれば適法
著作権法では「個人(または家庭)での使用に関して複製ができる」と明記されています。個人利用を目的としたスキャンであれば、”私的複製”にあたるので「適法」と、つまり問題ないということに。iPadなど端末に取り込むことも同様です。
グループ内でも適応
先述した通り、著作権法の”私的複製”の範囲には、個人だけでなく家庭や親しいグループも含まれています。その為、スキャンした雑誌のデータを、家族や友人に共有するのも「適法」ということに。データのやり取りをしても問題ないです。
他人に共有は違法
著作権法で「適法」としているのはあくまで”私的複製”の範囲まで。他人はもちろんのこと、初めから共有目的でスキャンしたものは私的複製の範囲外とみなされるので、”著作権法違反”になる可能性が。「違法」なので要注意です。
会社内ではグレーゾーン
社員個人が個人のためにスキャンし、親しい社員(友人)と共有するのは「適法」と言えます。しかし、会社(企業)自体が資料として、娯楽としてスキャンするのは指摘複製とはみなされません。会社での自炊はグレーゾーンな訳です。
2.複合機(コピー機)で雑誌をスキャンするポイント
あくまで個人の、そして友人と一緒に楽しむためにであれば、オフィス内の複合機(コピー機)で雑誌をスキャンするのは基本的に「適法」の範囲内です。では、複合機(コピー機)で雑誌を綺麗にスキャンするポイントをご紹介しましょう。
”裁断機”はマストアイテム
まず、複合機(コピー機)でスキャンする前に、”裁断機”で綺麗にカットしましょう。
雑誌を見開いて、そのままスキャンすると色むらができてしまいます。裁断機で中央部分を丁寧にカットし、原稿を平面にすることでより綺麗にスキャンすることが。さらに平面の原稿であれば、”自動送り機能”にも通せてデータ化も簡単です。
複合機の”両面スキャン”で
次に、複合機(コピー機)でスキャンするのなら、”両面スキャン”をぜひ活用してください。
両面スキャンとは”原稿の両面を自動でスキャンする機能”のことです。雑誌1冊は200から300ページほどと、1ページずつ手作業でスキャンしていては大変です。ただし、向きを揃えておかないと、ページがバラバラになるので注意しましょう。
ファイル形式は”PDF”に
最後に、複合機(コピー機)でスキャンするときは、ファイル形式は”PDF”にしておきます。
PDFにすることで、PDF用の”リーダー(読み込みソフト)”さえあればパソコンやスマホ、タブレットなどどの端末からでも正しく閲覧できるように。”img”のような画像で保存してしまうと、データ量が多くなりすぎて表示が重くなりやすいです。
3.まとめ
今回は、複合機(コピー機)で雑誌を自炊(スキャン)するポイントと、法律的な注意点をまとめてみました。雑誌のスキャンについては”私的複製”の範囲であれば「適法」に。それ以外の目的であれば”著作権法違反”に該当します。
オフィス内には高性能な複合機(コピー機)が導入されているはず。雑誌をスキャンするのなら、せっかくなら複合機(コピー機)のスキャン機能を使ってみましょう。もちろん、会社や上司から私的な用途での使用許可を取った上でです。
ぜひ、好きな雑誌を自炊(データ化)して、移動中や休憩中などちょっとした時間の楽しみに活用してみてください。